米ぬかにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか。
さまざまな効果効能があるといわれている米ぬか。
食品成分表を見て、含まれている栄養成分を確認しましょう。
米ぬかのカロリーや、栄養成分別の効果効能もあわせてチェックしてくださいね。
米ぬかの栄養成分を表で確認しましょう!

まずは、米ぬかの栄養成分を食品成分表で見てみましょう。
米ぬか食品成分表(可食部100gあたり)
栄養成分 | 単位 | |
---|---|---|
水分 | g | 10.3 |
たんぱく質 | g | 13.4 |
脂質 | g | 19.6 |
炭水化物 | g | 48.8 |
食物繊維 | g | 20.5 |
ナトリウム | g | 7 |
カリウム | mg | 1500 |
カルシウム | mg | 35 |
マグネシウム | mg | 850 |
リン | mg | 2000 |
鉄 | mg | 7.6 |
亜鉛 | mg | 5.9 |
銅 | mg | 0.48 |
マンガン | mg | 14.97 |
ビタミンE | mg | 10.4 |
ビタミンB1 | mg | 3.12 |
ビタミンB2 | mg | 0.21 |
ナイアシン | mg | 34.6 |
ビタミンB6 | mg | 3.27 |
葉酸 | mg | 180 |
パントテン酸 | mg | 4.43 |
ビオチン | mg | 38.2 |
上の食品成分表を見ると、米ぬかには主に次のような栄養成分が含まれていることがわかります。
- カリウム
- 食物繊維
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- ビタミンE
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- 植物ステロール
- γ-オリザノール
- フェルラ酸
- フィチン酸
- イノシトール
- オリザブラン
- GABA
実にさまざまな栄養素が含まれていますね。
米ぬかには、ザッと17種類の栄養素が含まれていることがわかりました。
米ぬかの原料といえば玄米。
玄米の外側を削って白米にする過程(精米)で米ぬかは生まれます。
つまり、米ぬかは玄米の外側の胚芽や表皮の部分なのです。
そして、玄米に含まれる栄養成分の約80~90%が、外側の胚芽や表皮の部分に含まれているといわれています。
だからこそ米ぬかには、たくさんの栄養成分が含まれているのです。
栄養面だけでいうと、米ぬかは「玄米のいいとこどり」といえますね。
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これだけ栄養豊富な米ぬか。
場合によってはカロリーも気になるところです。
そこで、米ぬかのカロリーもチェックしておきましょう。
米ぬかのカロリーは?

食品成分表によると、米ぬかのカロリーは100gあたり412kcalです。
それに対して、玄米のカロリーは100gあたり353kcalです。
玄米と比べると、米ぬかのカロリーの方が高くなります。
米ぬかには栄養成分がギュッと詰まっていることがわかります。
ちなみに、精米した白米のカロリーは100gあたり358kcalになります。
もちろん、米ぬかは主食ではありません。
あくまでも栄養素を補うためのものです。
ですので、米ぬかのカロリーが玄米と比べて高くても、あまり気にしなくて良いでしょう。
では、米ぬかにはどのような効果効能があるのでしょうか。
米ぬかの栄養成分別の効果効能は?

ここでは、米ぬかに含まれている主な栄養成分別の効果効能をご紹介します。
先程ご紹介した17種類の栄養成分について、それぞれの効果効能をチェックしてください。
1:食物繊維
米ぬかには、100gあたり20.5gもの食物繊維が含まれています。
食物繊維の種類は2種類。
水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」です。
米ぬかの場合、2種類の食物繊維の内訳は次のようになります。
- 水溶性食物繊維:2.2g
- 不溶性食物繊維:18.3g
「水溶性食物繊維」には、コレステロールの上昇を抑制したり、腸内に善玉菌を増やす働きがあります。
そして、「不溶性食物繊維」には、主に腸を刺激してお通じを促す働きがあります。
米ぬかに含まれる豊富な食物繊維によって、腸内環境の改善ができれば嬉しいですね。
2:カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、細胞の浸透圧を調整したり水分を保つ働きをします。
また、ナトリウムを体外へ排出する働きも。
ナトリウムを体外へ排出することで、むくみを取ったり、血圧を下げる作用があるといわれています。
カリウムは、むくみに悩む女性の味方になってくれそうです。
3:カルシウム
カルシウムは、ミネラルの中でも体内に最も多く存在しています。
体内のカルシウムの約99%は骨や歯を形成。
そして、残りの1%のカルシウムが存在するのは筋肉や血液です。
カルシウムが不足すると、骨粗しょう症を引き起こす可能性が高くなるといわれています。
カルシウムは日本人に不足しがちな栄養成分です。
意識をして摂りたい栄養素ですね。
4:マグネシウム
体内にあるマグネシウムの60~70%が骨の成分です。
ミネラルの一種であるマグネシウム。
マグネシウムは、カルシウムとのバランスの良い摂取によって骨を丈夫に保つ働きをします。
また、マグネシウムには酵素の活性化や神経の興奮を抑える働きがあります。
マグネシウムが不足すると疲れやすくイライラしやすくなることがあるとか。
マグネシウム不足には気をつけたいですね。
5:リン
カルシウムとともに骨や歯を形成しているのがしているのが、ミネラルの一種であるリンです。
リンは、エネルギーを蓄える物質の成分としても大切な働きをしています。
リンといえば、多くの加工食品に保存性を高めるために添加されています。
でも、リンの過剰摂取には注意が必要です。
リンを多く摂取するとカルシウムの吸収を妨げたり、肝臓の機能が低下する危険性があるとか。
加工食品を食べることが多い方は、カルシウム不足に注意をしてくださいね。
リンとカルシウムの理想的な摂取バランスは、1:1です。
6:鉄
鉄といえば、全身に酸素を供給して貧血予防をする微量ミネラル。
全身に酸素を運ぶ「ヘモグロビン」を構成する成分のひとつです。
鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」がよく知られていますね。
特に、成長期の女性や月経のある女性は鉄分の不足に注意が必要です。
実は私自身も成長期に「鉄欠乏性貧血」と診断されたことがあります。
「その頃に米ぬかの効果効能を知っていれば良かったな。」なんて、今になって思います。
7:ビタミンE
ビタミンEは、細胞膜に多く存在しています。
ビタミンEは強い抗酸化力で、活性酸素による細胞のダメージを防ぐ働きをします。
細胞を若く保つことで生活習慣病を予防するといわれています。
また、血の巡りを良くして肩こりや冷え性などの改善にも役立つといわれています。
そして、米ぬかにはビタミンEの一種である「トコトリエノール」も含まれているのがポイントです。
「トコトエノール」は特に強い抗酸化力がいわれているのです。
このため米ぬかには、より高い抗酸化力効果が期待できます。
8:ビタミンB1
ビタミンB1は、体内で炭水化物(糖質)がエネルギーに変わるときに必要になる補酵素です。
消化液の分泌を促す働きをします。
また、ビタミンB1は神経機能を正常に保つ働きをします。
不足するとイライラしたり倦怠感などの症状が現れることがあります。
ビタミンB1は、こまめに摂取する必要がある栄養素のひとつです。
米ぬかから上手に摂取できれば良いですね。
9:ビタミンB2
ビタミンB2は、炭水化物(糖質)や脂質、アミノ酸がエネルギーに変わるときに必要となるビタミンです。
有害な過酸化物質を分解する働きがあります。
ビタミンB2が不足すると口内炎や皮膚炎、眼球炎などを引き起こすことが。
ビタミンB2脂質の代謝にかかわる栄養素です。
エネルギーの消費量が多い人ほど必要になるといわれています。
スポーツなどで活動量の多い人は特に意識して、米ぬかからビタミンB2を摂取しましょう。
10:ナイアシン
ナイアシンとはニコチン酸とニコチンアミドの総称で、ビタミンB群のひとつです。
三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の代謝を促す働きをします。
胃腸管の働きを維持して皮膚を健康に保つ重要なビタミンであるナイアシン。
ビタミンの中では最も多く体内に存在するといわれています。
ナイアシンが欠乏すると、皮膚病や口内炎などの症状が現れることがあります。
11:植物ステロール
米ぬかに多く含まれている植物ステロールは、植物の細胞を構成している成分のひとつです。
植物ステロールにはコレステロールの吸収を防いだり、体内でコレステロールが増えるのを防ぐ働きがあります。
このため、生活習慣病の予防効果が期待できます。
動物性のコレステロール値が高い人は、ぜひ米ぬかから植物ステロールを摂取してみてください。
12:γ-オリザノール(ガンマ-オリザノール)
γ-オリザノール(ガンマ-オリザノール)は、ポリフェノールの一種で、米ぬか特有の成分です。
強い抗酸化作用があり、血の巡りを良くする働きをします。
γ-オリザノールの強い抗酸化作用には、強力なパワーがあります。
その証拠に、γ-オリザノールは食品添加物の酸化防止剤としても使われるほどです。
また、γ-オリザノールは血の巡りを良くする働きから、医薬品や化粧品などにも利用されています。
ちなみにγ-オリザノールが含まれている米糠(ぬか)油は、油脂の中で唯一、国産原料のみで作られている油です。
13:フェルラ酸
フェルラ酸も米ぬか特有の成分です。
γ-オリザノールから抽出される物質で、強い紫外線を吸収するといわれています。
フェルラ酸は、シミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
このことから、化粧品にも多く利用されています。
他にも、フェルラ酸のさまざまな研究により、認知症予防効果への期待が高まっています。
γ-オリザノールとフェルラ酸は、米ぬかの大きな魅力のひとつですね。
14:フィチン酸
フィチン酸には、体内で活性酸素が発生するのを抑える働きがあります。
その強い抗酸化作用によって、細胞が酸化するのを防ぐのです。
またフィチン酸には、コレステロール値を低下させたり、動脈硬化予防や貧血予防などの効果も期待されています。
15:イノシトール
イノシトールは、別名「抗脂肪肝ビタミン」とも呼ばれます。
血流やコレステロールの流れを良くすることで、脂肪肝を予防する効果が期待できます。
普段から、「脂っこい食事が好き」、「お酒をよく飲む」という人は積極的に摂りたい栄養素です。
また、イノシトールは神経細胞に栄養を届ける働きもします。
このため、抜け毛予防や頭皮の湿疹予防などの効果も期待されています。
16:オリザブラン
オリザブランは、米ぬかに多く含まれる多糖類です。
オリザブランには血糖値を下げる作用があるといわれています。
このため、糖尿病の改善効果が期待できます。
また、高い保水力があるオリザブランは、皮膚の水分を一定に保って肌のたるみや肌荒れを防ぐ効果もあるといわれています。
このため、化粧品にも多く使われているオリザブラン。
オリザブランの効果効能は美肌を目指すにはとっても魅力的ですね♪
17:GABA
GABAは、主に脳や脊髄(せきずい)で働く栄養成分です。
特に、神経を興奮させるドーパミンが過剰に分泌することを抑制する働きが知られています。
GABAを摂取することで脳の働きを良くしたり、リラックス効果が期待できます。
また、GABAには中性脂肪値の改善や、高血圧の改善にも効果があるといわれています。
そういえば、最近GABAを配合したチョコレートがよく販売されていますね。
GABAは、ストレスを抱えることの多い現代人には魅力的な栄養素といえるのではないでしょうか。
ぜひ、米ぬかからもGABAを摂取しましょう。
参考:実況出版編修部(2019年)『オールガイド 食品成分表 2019』実教出版株式会社
まとめ

今回は、米ぬかの栄養成分を食品成分表で確認してみました。
米ぬかには、たくさんの栄養成分が含まれていることがわかりましたね。
米ぬかのカロリーは、100gあたり412kcalです。
そして、米ぬかに含まれる栄養素は主に17種類。
それぞれの栄養成分の効果効能だけでなく、相乗効果にも期待したいものです。
日頃から脂っこい食事を多く摂っていたり、食べ過ぎたりしてしまう人は、試しに米ぬかを食べてみてください。
米ぬかを食べることで期待できる効果については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください。